どうも、現役メガネ屋店員のメガネマンです(^^
現役メガネ屋店員によるメガネの知識講座ということで、今回は
『遠近両用メガネ』について解説していきます
あのお年寄りが使うメガネか…
あまり自分には関係ないな
そんなことはありません!!
実は誰もが使う可能性があるんです
残念ながら遠近両用メガネについて正しく理解している方は多くないのが現状です
それどころか間違った知識で遠近両用メガネを使っていない、遠ざけている人も見かけることがあります
今回の記事では遠近両用メガネの仕組みや、遠近両用メガネを作る際にオススメなフレームなどを紹介していきます(^^
なお今回の記事もコンタクトレンズの現役販売員のまるさんとのコラボ記事になっています
遠近両用コンタクトレンズを使用している人、気になっている人にもとても役立つ情報満載です!!
早速、いきましょう(^^
こんな人に読んで欲しい
・遠近両用(中近、近々両用)メガネに興味がある
・遠近両用メガネは自分には必要ないと考えている
・お年寄りがかけるのが遠近両用だと思っている
・最近スマホや読書で細かい文字などを見るのが疲れる、見づらい
・遠近両用眼鏡の使用経験があって、慣れずに使用を諦めた
累進多焦点と二重焦点(バイフォーカル)について
る、累進…?ばいふぉーかる??
遠近両用メガネについてじゃなかったの?
少し難しい言葉が出てきましたね(^^;
皆さんが遠近両用と呼んでいるメガネには2つの種類があります
まずはそれぞれについて説明しましょう
- 累進多焦点レンズ(遠近)
- 累進多焦点レンズとは単焦点(通常の遠用や近用メガネ)レンズと同じような見た目をしています。つまり遠方視と近方視の境目が見えないレンズのことです。
後述の二重焦点レンズと違い、遠方視部分から近方視部分にかけて徐々に度数が変化するので理屈上は見たい物の距離に合わせて1本のメガネで見ることが出来ます(現実的には限界があります)。というのも、累進は1枚のレンズに複数の度数が入る設計になっています。そのため周辺に歪みが出てしまい見えにくい部分や、ぼやける部分が出てしまいます。
- 二重焦点(バイフォーカル)レンズ
- 二重焦点レンズは遠方視のレンズに小窓のような近方視のレンズが付いた、ふたつのレンズからなるものです。
累進多焦点レンズ違い、はっきりと境目が分かるので周りの人からは遠近両用ということは分かります。
しかし、はっきりとレンズが分かれているので歪みが無く慣れやすい、近方視野が広く取れることが最大のメリットになります。
ちなみに、累進多焦点と違い一般的な格安店には取り扱いがないことがほとんどです。
仕事で使うメガネは見た目の良い累進多焦点、家で使うときは見やすさを重視して二重焦点にしようかな
歯科医さんや、手元をよく見る作業の多い仕事の人なら近方視野が広く手元がしっかりと見える二重焦点がおすすめです
遠近両用メガネはどんなフレームでも作れるの?
遠近両用メガネを作る際におすすめしているのは天地幅が広め(33mm以上)でクリングス(鼻あての金属のパーツ)が付いているものになります
ただし、そうでないフレームだと絶対に作れない訳ではありません
レンズの天地幅が広い方が累進帯長(累進部)が長くとれるので歪みが少なくなります
(前述のとおり累進部は徐々に度数が変わるため、長い方が緩やかな変化になるため)
またレンズの天地幅が広いとフレームの枠が視界に入りにくく気になりにくいのも特徴です
遠近に慣れた人や、遠くと近くを頻繁に見直す必要のある人は天地幅が狭いフレームも選択肢に入れるのもありです
天地幅を狭くすると累進帯長が短くなり、歪みが出ますがその分遠方視と近方視の切り替えが早く出来ます
あとはクリングスに関しては、遠近両用はメガネに対してのアイポイント(目の高さ、位置)が重要になりますのでその調整に必要になります
特に海外製のフレームは鼻の高さなどが合わないことも多いので必ず確認をしておきましょう
天地幅なんて言われても分からないよ~!
天地幅はメガネの弦(テンプル)の部分に刻印されていることもあります
表記としては若干ブランド毎に違いはありますが、『55□16-145 34』のような表記です
この場合だと、『レンズ幅55mm、ブリッジ幅16mm、テンプルの長さ145mm、天地幅(レンズの高さ)34mm』となります
オンラインショップなどではそれぞれの数値が直接記載されていることが多いので確認をしましょう
遠近両用におすすめのフレーム
ひとつ前の見出しで記載した内容でフレームをいくつかピックアップしてみました(^^
迷っている方はぜひ参考にしてみてください♪
販売ページに記載がありませんでしたがレンズ天地幅は41mmになります
人気のトムフォードのフレームです
“三代目J SOUL BROTHERS”の今市隆二さん着用モデルとしても有名だそうです(知らなかった(^^;
メタルとセルのコンビネーションフレームでおしゃれで高級感のあるフレームとなっています
遠近両用としてもおすすめですが、通常のメガネとしても非常に素敵ですね♪
販売ページに記載がありませんでしたがレンズ天地幅は43mmになります
こちらも人気のオリバーピープルズのセル巻きフレームMP-2です
メタルのリムにセルを巻くことで立体感を出したおしゃれなフレームとなっています(^^
フレームの各サイズは『51□20-143 45』になります
丈夫で軽量なチタンとウルテム素材を使用したフレームです
シンプルなボストン型のクラシックフレームなので仕事やプライベートを選ばず使えます♪
こちらの商品はZoffの公式オンラインショップのメガネになりますので店舗の方でレンズの作成や調整が容易に行えるのでオススメです(^^
コンタクトレンズで遠近両用にしたい!
コンタクトレンズにも遠近両用のものがあるのはご存知でしょうか?
普段仕事でもコンタクトを使っているから、出来れば遠近両用のコンタクトにしたい!
遠近のコンタクトって上下とかあって大変じゃないの??
遠近両用メガネは何となく知っていたけど、コンタクトでも作れることは意外と知らない人も多いのではないでしょうか?
色々と気になる人は現役コンタクトレンズ販売員のまるさんのブログで詳しく紹介されています!!
まるさんにはTwitterでもコンタクトレンズのことでも大変お世話になっています(^^
遠近だけでなくコンタクトレンズの知識も分かりやすく紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください><
番外編1 アシスト設計レンズ
まだ20代だけどスマホを見ていると目が疲れることが多い…
これも遠近両用に作り替えた方が良いの?
遠近両用レンズでも特に累進多焦点レンズは早めに作っておくと後々が楽になります
というのも、加齢とともに手元にピントを合わせる調節力の衰えが始まります
それが原因で近くが見えにくくなってくるのですが、衰えが進んでから遠近両用メガネを作ろうとするとどうしても手元の加入度数、累進部が強くなるので歪みなどで非常に慣れるのに苦労します
よって見えづらくなってきたら我慢せずに遠近両用も検討して欲しいです(^^
また、以下に挙げる方はアシスト設計レンズはいかがでしょうか?
- 手元が見えにくい訳ではないけど、目が疲れることがある
- スマホや読書など手元作業が多い10代~30代くらいの人
- やっぱり遠近両用には抵抗がある、遠近に慣れていきたい
アシスト設計のレンズは仕組みとしては累進多焦点と同じです
ただ違うのは近方視の度数が弱い設定になっているので歪みが非常に少なくて済みます
調節力が弱くなってくると物足りなくなりますが、遠近の入門としては非常に有効です!
番外編2 中近両用、近々両用レンズ
友達が中近両用メガネというのをかけていたわ
遠近両用と何が違うの??
累進多焦点レンズには見える範囲を変更して用途別に合わせることが出来るように遠近の他に2種類あります
どのメガネがオススメですか?という質問をよく受けますが、見たい範囲や使用用途、環境によって異なります
メガネ屋で相談されるのがおすすめですが、どうしても聞けない、聞きづらいなどがあればお気軽にご相談ください(^^
ちなみに累進多焦点レンズを未経験の方は遠近両用やアシスト設計が慣れやすく、おすすめです♪
番外編3 累進多焦点の3つのレンズ設計
いつもと違う店で同じ度数で遠近両用メガネを作ったら、見え方が違う!
不良品のメガネだ!!
メガネ屋が説明不足だったのかはさておき…
まず前提として遠近両用で同度数で作成しても見え方がある程度異なるのは仕方がない
そのように考えておいてください
決してメガネ屋の怠慢などでなく、構造上の問題なのです
繰り返しになりますが、累進多焦点は累進帯長の長さによって見え方、歪みも変わってきます
フレームの枠が違えば形状や長さが変わりますし、同度数でも見え方は違います
またレンズメーカーの違い、レンズ加工、フィッティング(調整)など様々な要因一つで見え方も違いますので大切にしてほしいのは使用用途で適切な見え方をしているか、になります
少し難しくなりますが、累進多焦点レンズには3つの設計構造が存在します
これも見え方に大きな影響が出ます
別の店で作成した場合はこちらの原因も大いにあり得ます
簡単に説明をしていきましょう(^^
メガネ屋によっては取り扱いのない設計のレンズもあります
技術面ももちろんですが、メガネ屋を選ぶ際にはしっかりと話を聞いてくれたうえで説明をしてくれるお店を選びましょう(^^
まとめ
今回の記事のまとめ
・遠近両用には累進多焦点と二重焦点(バイフォーカル)の2種類がある
・一般的には見た目で遠近と分からない累進多焦点が使われている
・遠近両用は天地幅が33mm以上で、クリングスのある物がおすすめ
・遠近両用のコンタクトレンズもある
・遠近両用の入門にアシスト設計レンズもおすすめ
・手元や中間距離など用途に合わせた中近両用、近々両用メガネもある
・累進設計には3種類の構造があり、おすすめは両面累進設計
難しい言葉も出てきたと思いますが、快適なメガネをぜひ作る手助けが出来たら嬉しいです(^^
今回は前回ご好評をいただいたまるさんとのコラボ記事第2弾ということでご協力をいただきました!
メガネのことで質問や意見があればメールフォームの方に送ってください
Twitterでも質問を受け付けていますのでお気軽に送ってください♪
それではノシ
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