【書評】『リーダーの現場力』/経営者だけでなく後輩、部下を持つ方へ

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メガネマン
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どうも、メガネマンです(^^

仕事を続けていると後輩が出来、昇進をして部下が出来たりと自分が上に立って指揮を取ったり、指導をする場面が必ずあります
これが経営者の方ならなおさらで、直接現場に立つことは少ないかもしれませんが、自分の発言や行動が会社そのものを動かしていきます

そんな上に立つことが珍しくない世の中で、皆さんは「でも何をすれば良いのだろう?」とか「後輩や部下が言うことを聞いてくれない」といった悩みを持ったことはありませんか?

また、転職者が多くなってきているこの時代ですから新しい転職先で役職に就いたものの、社内のルールの違いや、知識がまだ身についていないことで指導どころか指示もしっかり出すことが出来ないと不安を抱えていませんか?

グラフ
総務省HPより引用 2020年発表の転職者の推移
リーマンショック以降再び数値が上昇し、過去最大なことが分かります

私も何度もその場面が訪れたことがありました

学生アルバイト時代に後輩が出来たとき、新卒で入社した時にいきなりパート・アルバイト・契約社員の方に指示、指導をしないといけなかったとき、転職して新しい職場に行ったとき…

一生懸命に動くのですが、空回りして落胆してしまうことも多くありました
本当につらい時期でした

そんな時に出会ったこの本

出会ったのは一つ前のディスカウントストアの職場で働いている時で、主任の立場から店舗スタッフへの業務での関わりについて色々と悩んでいる時期でした

以前より読書は本当に好きで書店に立ち寄ってはジャンルを問わず様々な書籍を購入し、拝読していました

当時立ち寄った書店の新刊コーナーにあったこの本を見て、「やる気を引き出し、人を動かす」という表紙の副題に今の自分に必要なものを感じて購入したのを覚えています

多くの紙の本を片付け、電子書籍などを活用している今でもこの本は持ったままにしています。今でも読み返すことも何度もあり、たくさんの元気や勇気をもらっています

今回は私と同じ悩みを持つ方へ、私なりの解釈でこの本の良さを伝えられたらと思い記事にしました

ぜひ読んでいただけたら幸いです(^^

こんな人におすすめ

・会社の方針などに不満があり、やる気や元気が出ない

・社員、後輩、部下などに指示や指導のことで悩んでいる

・今の会社や部署、店舗のやる気を引き出したい

・ビジネス書などの難しい本は苦手だ

1.『リーダーの現場力』の紹介

  • 著者:迫 俊亮(Sako Shunsuke)
  • 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 初版出版:2017年
  • ページ数:240p

著者の迫俊亮さんは1985年、福岡県生まれ
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学部卒業後に大手「三菱商事」に入社します。しかし、大学時代インターン先であったベンチャー企業「マザーハウス」での仕事が忘れられずに半年で退社します

メガネマン
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世間の憧れの就職先「三菱商事」を退社するなんて、余程の思い入れがあったのでしょうね

マザーハウスに戻った迫さんは台湾事業の立ち上げという大役を任せられます。しかし、事業が上手くいかず自身のマネジメント能力、経営の力不足を痛感します

そこで一度外でマネジメントを学ぶために「ユニゾン・キャピタル」というファンドで働く決意をします。そしてそのファンドが買収した「ミスターミニット」で働き、経営を学んでいくことになります

しかし、このミスターミニットが一癖も二癖もあるのです(^^;

この本はそのミスターミニットでの奮闘を書いた話になっています

2.業績、成績が上がらない状態は何が起きているのか?

まずミスターミニットとは靴の修理や合鍵の作製を主にした小型店舗を運営する企業です。私の住む地域には残念ながら無いのですが、駅や商業施設など人通りの多い利便性のあるところで営業をしている、困ったときに頼れるお店というイメージでしょうか?

私は本を読むまで社名すら知りませんでした(^^;

日本のミスターミニットで経営をすることになった迫さんはデータを見て驚愕します。なぜなら日本での売上は10年連続で減少していたのです

その原因にあったのは、題名にもある「現場力の無さ」でした

本社の現場無視の指示、現場から上に何も言えない環境、それをずっと繰り返している負の連鎖により社内の腐敗が進んだ結果がこの売上の減少を招いていたのです

当たり前の話、かもしれませんが妙に他人事には思えないのではないでしょうか?

私も本を読んだときにそう感じました
店舗の意見は本社に言えない、もしくは聞き入れてもらえない環境にあり、ただただ本社からは一方的に指示が飛んでくるばかり

それでやる気を出せ、というのはなかなか厳しいのが現状でした

だったら、経営者しか意味がない本じゃん!ただのスタッフじゃ、この本は意味がないよ~!

もちろん、そんなことはありません。確かに今の話だけだと上の経営陣が変わらないと意味がないことになります。実際に根本的なところは経営陣になるのですが…

それでもこの本を読むだけの価値があります

  • 迫さんが腐敗した経営を立て直す姿に共感、勇気をもらえる
  • 経営者だけでなく、上に立つ全ての人に必要な現場力とリーダーシップを学べる

特に二つ目の現場力とリーダーシップは本当に大切なスキルです

経営者という大きな組織の長ではなくても、プロジェクトリーダーや、チームリーダー、店長、バイトリーダーまで小さな組織でも非常に重要だからです

3.リーダーシップを築く3つの方法

  1. リーダーとはフォロワーがいる存在である
  2. 距離を縮め、心をつかむ「伝え方」
  3. 「リーダー性」は、育てることが出来る

1つめのフォロワーとは支持をしてくれている人のことです。支持をしてもらうには信頼がなければなりません

まずは信頼を得るために正論を振りかざさない否定をしないことが大切です
部下の失敗や短所を正すのではなく、補ってあげるのがリーダーの務めです

そのフォローもこちらから言うのではなく、聞くことも大切です
部下に作業を任せて、その上で必要なことがあれば部下から言ってもらうことが重要です。それに対してこちらも真摯に聞くことを怠ってはいけません

2つめについては仕事以外の日常から意識をしなければいけません

そういうと難しそうですが、例えば飲み会や休憩時間、出退勤の前後の雑談など少し相手を気にするだけで良いのです
会議で意見を出し合うのも大切かもしれませんが、会議はどうしても建前のようなものがあります。本音でガンガン言える方が珍しいのではないでしょうか?

朝礼で連絡事項を伝えた時の表情や、雑談の中でこっそり意見を出したり、聞いたりしてみるのは本音という部分では非常に有効です

注意点としては飲み会に無理やり誘ったり、時間外に露骨に業務の話をするのはNGです

かえって逆効果なのでそれはやめましょう(^^;

3つめはプレイヤーからは卒業するということです

つまり、「リーダーの私が頑張って数字を出しました」とか、「リーダーらしくしないと!」などという自分中心の考えはやめるということです

1つめでも書きましたが、部下に仕事を任せるのも立派なリーダーの仕事です
丸投げは駄目ですよ(^^;

また、自分がどうあるべきと考えるのではなく皆がどうあるべきかを考えることも大切です
組織を意識して、本気と覚悟を示すことがリーダー性を育てていきます

4.能力を100%引き出す組織とは?

それは誰もがリーダーになれる組織ということです

そのために仕組みが必要になります
まずは業務の中でどんなことでも良いので部下に仕事を任せます。つまり、その分担された仕事の中では任せられた方がリーダーということになります

間違えてはいけないのは丸投げも、手を出すのもNGということです

報告やそれに対する助言、結果に対する責任は上に立つ貴方自身がしなければいけません

それらをPDCAとして運用していく仕組みを作り、業務をしていけば全員がリーダーとして働くことも夢ではありません

でも、リーダーになるとなぜ能力を引き出せるのか?

それは責任とやる気を持つことが出来るから、というのもありますがリーダーというのは大きな種火ともいえるからです

それぞれ個人には得意なこと、不得意なことも違うので全てを任せるのは酷です
だからこそ組織を細分化し、それぞれにリーダーとして働いてもらうことで得意を活かせますし、リーダーとしての業務範囲も拡げ過ぎないように出来ます

自分が仕事を任せられているというのは本当に気持ちがいいものです

やる気を出して働く姿は他の人にもやる気を分けてくれます

これがリーダーという大きな種火が組織全体で大きな炎となり、組織自体の能力を100%発揮してくれるのです

5.未来を紡ぐ「ビジョン」を作る

「課題解決ではなく課題変革がリーダーの仕事」

本の中で迫さんはこのように書いています
組織の内部が課題に取り組むのであって、リーダーは課題そのものを変えていき、より成長させていくものであるということです

その課題を変えていくために必要なのがビジョンを作るということです
迫さんはそのことを本の中で山登りに例えています

  1. ビジョン=どの山を登るか
  2. 戦略=どのルートで山を登るか
  3. 戦術=どうやって登るか

未来のビジョンが無ければ、ただ闇雲に進んでいくのと同じということです
また、より良い未来へはより良いビジョンが必要ということです

迫さんはミスターミニットを「世界ナンバーワンの『サービスのコンビニ』」というビジョンを掲げます

ビジョンに大切なのは『らしさ』を無視しないことです

組織には必ずその組織の『らしさ』があります。例えば、「富士フィルム」がフィルムのニーズが減少した際にカメラ事業の技術という『らしさ』を活かして化粧品事業に踏み出し成功を収めています

また、掲げたビジョンをブレさせてはいけません

反対が多くても、なかなか上手くいかなくても一度掲げた以上ブレてはなりません

ビジョンのブレ=組織の理念のブレになります
戦略や戦術は変えられるかもしれませんが、ビジョンだけは貫き通す覚悟が大切です

今回は本から学べる大切な部分をかいつまんで紹介しました
まだまだ本には大切なことがたくさん書いてあります

この本はビジネス書になりますが非常に読みやすい構成になっております
物語としても非常に面白いと思います♪

ぜひ、皆さんも読んでもらえると嬉しいです(^^
それではノシ

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